間違いやすい業種について③(解体工事業)

お世話になります。行政書士の加藤祐基です。
前回のコラムでは、間違いやすい業種として「電気工事業」についてご紹介しました。
今回は、同じく間違いやすい業種の一つである「解体工事業」について解説いたします。

解体工事業とは

解体工事業とは、その名の通り、建物や工作物を取り壊す工事を指します。
具体的には、工作物解体工事や建造物の解体や更地にするための工事が該当します。
実は、解体工事業は平成28年5月の建設業法改正により、29業種目として新たに設けられた比較的新しい業種です。
それまでは、解体工事業は「とび・土工工事業」に分類されていました。
この改正により、解体工事の定義が明確化される一方で、建設業法上の分類がやや複雑になりました。具体的には、各専門工事に該当する目的物を解体する場合は、その専門工事に分類されるとされています。
すなわち、それぞれの専門工事で建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当することになります。

たとえば、信号機を解体して同じものを作る工事を行ったとします。信号機を解体したので、解体工事業に分類されるように思えます。
しかし、信号機を作る工事は、電気工事業に分類される専門工事であるため、先ほどの例の信号機の解体は電気工事業に分類されることに注意が必要です。

解体工事業の特殊性

以前のコラムで、電気工事業は、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」による制約があり、請負金額が500万円未満の軽微な工事でも電気工事業の登録が必要であることを紹介させていただきました。
解体工事業も建設業法の制約の他に、「建設リサイクル法」の制約が適用されます。
この点が解体工事業の特徴といえます。
特に注意すべき点は以下の通りです。
解体工事業を請け負う場合、500万円未満でも登録が必要となり、建設リサイクル法に基づき、金額にかかわらず登録が義務付けられています。
また、500万円以上の工事の場合は、解体工事業の登録だけでは不十分で、建設業法に基づく許可を取得する必要があります。
このように、解体工事業は登録要件と許可要件の両方に注意を払う必要があるため、登録がないまま工事を行うことのないよう、しっかりとした準備が求められます。

建設業に携わる行政書士として

今回は、間違いやすい業種として「解体工事業」を紹介しました。
解体工事業は、平成28年の建設業法改正で新たに設けられた業種であり、他業種との違いを理解するのが難しい場面もあります。
さらに、建設リサイクル法という建設業法とは別の法的制約もあるため、特に注意が必要です。
しかしながら、近年では高度経済成長期に建てられた建造物の老朽化が進み、建て替え需要の増加に伴い解体工事業への注目が高まっています。
建設業許可に携わる行政書士として、解体工事業の適切な登録・許可取得をサポートし、業界の発展に寄与できればと思います